非選択性(Non-selectivity)

地域にある健康問題のほとんどを、「まずは診る」ことのできる能力として非常に重要です。

例えば(以下はフィクションです)・・・

46歳女性

夜眠ることができないとのことで診療所外来を受診。体がほてったり、胸がむかむかしたり、体の節々が痛くなったりすることがある。ここ数か月前頃からいま一つ食欲もなく、夜になると足がじんじんする感じで不眠だという。10歳の子供が昨日から鼻水がとまらないので、ついでに診てもらうために連れてきた。

76歳男性

高血圧と糖尿病にて外来通院中。軽度の認知症あるが、何とかひとり暮らしをしている。家族は遠方に在住。なかなか糖尿病コントロールが改善しない。どうやら服薬を時々忘れているようだが、余っている薬を持参するようお願いしても忘れてしまっているようで、どの薬がどれくらい余っているか分からない。定期的な外来にて、腰痛を以前から訴えているが、今日はひざの痛みと体のかゆみがつらいとのこと。近所なので、他の患者への訪問診療のついでに、一度自宅に伺おうかと考えている。

などなどです。
消化器内科、婦人科、心療内科、神経内科、精神科、整形外科、循環器内科、内分泌内科、皮膚科でそれぞれの問題に対処しても、問題の全体が解決するのは難しい感じがしませんか?

まずは家庭医が全体的に対処し、専門家への相談が必要な点を専門家に相談することによって、患者さんも最小限の医療機関への受診で済み、忙しい専門医の負担も減る・・・そういうことを目指せたらと思います。

誤解の無いように再度書きますが、当然、臓器別専門医は必要です。そして、家庭医と臓器別専門医のどちらが優れているかということでもありません。